学部・研究科紹介

「できたらいいな」ができてしまう“情報科学”

人と社会と情報科学の最先端で、みんなが夢だと考えていることを実現します。

情報工学 知能工学
システム工学 医用情報科学

自分らしく研究して世界を驚かせたい。

スマートフォンなどのモバイル通信端末が手放せない時代です。しかし、例えば大規模な災害が発生して通信インフラが機能しなくなった場合、スマホがあっても平常時のように通話や通信ができません。避難や救助、支援、情報収集のことを考えると、どうにか解決できないかと思い、私は緊急事態時でも使えるネットワークとして、Bluetoothによって端末同士が直接通信を行うことで構築されるモバイルアドホックネットワークに関する研究をしています。
通常、携帯電話の通信は基地局を介して行われますが、アドホックネットワークは基地局を経ず、端末と端末が直接つながって通信を可能にします。例えば100台のスマホでアドホックネットワークを形成する場合、通信の効率がいいのは最短距離にある端末同士だと予想されますが、私のシミュレーションでは、必ずしも最短距離でなくてもいいのではという可能性が見えてきました。コンピュータはネットワークにつながってこそ便利なものだと考え、基礎を学び、研究へと発展させてきました。大学院でも緊急事態時に実用できるネットワークの構築につながる研究課題に取り組み、将来はネットワークエンジニアとして社会に役立ちたいと思います。

情報工学科ネットワークコース 4年
ネットワークソフトウェア研究室所属 杉山 海斗さん
静岡県立浜松湖東高等学校出身
※本ページの学年は取材時の学年です

ネットワークに接続した複数のコンピュータが分担して作業を行う「分散システム」の活用について研究しています。具体的には、ブロックチェーン(複数のコンピュータで暗号技術を用いて同期的に記録する手法)の脆弱性の発見や対策法の提案、クラウドシステムを利用した安全な分散処理などがテーマの中心です。身近になったインターネットは便利ですが、クラッキング(不正アクセス)や偽サイト、巨額の仮想通貨不正流出など、たびたび問題になっています。ネットクレジット決済では不安があるという人は多いのではないでしょうか。安全性を疑いながらのインターネット利用は不安で不便です。環境を整え、しっかりと安心・安全を守る技術を考え続けたいと思います。コンピュータの進展は私たちの社会を劇的に変えました。一方で安全・セキュリティの技術はまだまだ不十分なため、人材育成を含めて将来性のある研究分野です。卒業生はスーパーコンピュータ「京」や後継機「富岳」、次世代ゲーム機の開発など、業界の最前線で活躍しています。ぜひ自分を「磨けば光る原石」と信じて、可能性を伸ばしてください。

情報工学科コンピュータコース
論理回路システム研究室
上土井 陽子 講師


私が高校生の頃から人工知能(AI)という言葉がよく聞かれるようになり、その仕組みがどうなっているのか興味を持ち、情報科学部に入学。4年生になって所属したデータ工学研究室では深層学習に着目しました。深層学習は大量の データから自動的に特徴やパターンを学習することを指し、AIに必要な要素技術の一つです。
スマートフォンにもAIを搭載する例が増えてきましたが、深層学習モデルは計算量が膨大で、精度の高いモデルを小さな機器に組み込むことが困難です。この課題を解決しようと、私は「深層学習モデルの圧縮に関する研究」に取り組んできました。小さな機器にも深層学習モデルを搭載できるようになれば、クルマの自動運転やモノの製造工程で良・不良を選別する精度を上げることができます。こうした研究がもっと進み、AIに対する信頼性が高まって、人ができないことやAIがやる方が効率的なことをすべて完璧に任せられるようになればいいなと思っています。
私は研究で行き詰まったときに先生や友人の助けを得たり、逆に友人を手助けしたりしてきたことで、社会で必要な姿勢を学べたと感じています。また、高校までとは違い、自ら進んで学習できるようになったとも思います。大学院に進んでも、自ら学ぶ努力を忘れないように研究に取り組みます。

知能工学科知能ソフトウェアコース 4年
データ工学研究室所属 玄行 朱里さん
広島県立広島井口高等学校出身

知能工学科知能メディアコース言語音声メディア工学研究室目良 和也講師

コンピュータの世界で最近ブームになっているのがAI(人工知能)です。世界的に研究開発が過熱してきました。私は20年来、「人間の感情を理解するコンピュータ」を研究しています。その原点には日本のアニメ(特にロボットもの)のように、人間とロボットが幸せに共存できたらいいなという思いがあります。現在取り組んでいるのは、表情や声の調子から、感情や心理状態を推定するコンピュータの研究です。人がしょんぼりした顔で「大丈夫」「楽しい」と言われても、文字通りに受け取らず「本当に?」と返せる思いやりのあるコンピュータの実現をめざしています。SF映画の影響なのか、「感情を理解するコンピュータは不気味」という意見もありますが、これからはむしろ「感情を理解しないコンピュータ」の方が不気味に思われるのではないかと思います。2017年には、指導学生が「お世辞か、本音か」を判断するコンピュータの研究論文で国際ワークショップの最優秀論文賞を受賞しました。彼のように、自分が好きだと思えることをやり続けてほしいと思います。本学部を、どの分野に進んでも生きていける力、問題解決手段を探す力、知識を応用する力を身に付け成長する場にしてください。

知能工学科知能メディアコース
言語音声メディア工学研究室
目良 和也講師


心地いい音があふれる社会に

小学生のころからピアノやフルートを演奏していたことで「音」に興味があり、高校の先生から音響工学について教えていただき、それを学ぶ道に進みました。研究しているのは「個人の好みに適応する音質制御システムの開発」です。ある人が心地いいと感じた音を騒音に感じる人もいます。そこで私はバイクのエンジン音を研究対象にして、運転者には走る喜びを感じられる音に、周囲には静音に聞こえるといった個人の好みに合わせた音を提供できるシステムの開発を目指しています。
現在はさまざまな音の周波数帯のデータを元に音質を制御するアルゴリズムを設定し、PCでシミュレーションを行っている段階です。結果が予想と違った時などは先生からアドバイスを受けたり、文献や論文を読んで理解を深めたりして研究を進めています。将来はバイクのヘルメットに実装するなど、実車に搭載できるシステムにし、クルマ・バイク産業の発展につなげたいです。
大学院でも研究を続け、その成果が生活しやすい環境を生み出すことにつながればいいなと思っています。また、本学大学院にはドイツ・ハノーファー専科大学への留学プログラムがあり、音質制御のシミュレーションをテーマにした研究留学も視野に入れています。

システム工学科インタフェースデザインコース 3年
サウンドデザイン研究室所属 久木 若菜さん
島根県立松江北高等学校出身

システム工学科人間・ロボット共生コース メカトロニクス研究室 小嵜 貴弘准教授

人が体に身に着け、重い荷物の運搬などを楽にできるようにするパワーアシストスーツ(PAS)の研究に取り組んでいます。私が対象にするのは、電気ではなく、感電する心配のない空気や水の圧力を動力源とするタイプ。「人と共存するロボット」の条件はやはり安全性だと考えているからです。
腕の動きをアシストするタイプや、腰と膝を同時にアシストするタイプのPASの試作機を開発し、私自身が着用して補助効果を確認しました。少子高齢化がますます進み、今後は労働者不足になることが懸念されていることから、介護や工事現場などで作業者がPASを着用することで、人力で行う作業の効率化につながると期待しています。重さや価格など課題はいろいろありますが、将来は人の意図を認識し、人の動きとも協調でき、身体の一部のように動くPASの実現を目指して研究を続けています。
高校でPASについて出前授業をしたとき、「親類にPASが必要な人がいる」「将来どう役立つのかがわかった」と言ってくれる高校生がいました。大学で取り組む研究では、身近なところで動機を見つけ、過去の研究よりも進んだことにチャレンジしてほしいと思います。

システム工学科 人間・ロボット共生コース
メカトロニクス研究室
小嵜 貴弘准教授


2008年に下村脩博士がノーベル化学賞を受賞して話題になった「蛍光タンパク質」が研究対象です。蛍光タンパク質の動きをコンピュータでシミュレーションして、タンパク質の安定性と蛍光強度との関係など蛍光タンパク質がどのようにして光るのかについて調べています。例えば、がん細胞に蛍光タンパク質で目印をつけると、がんだけを狙った治療や転移の早期発見が可能になります。蛍光タンパク質には複数の色があります。緑色の蛍光タンパク質はよく光りますが、人体にある酸性の環境には弱く、群青色の蛍光タンパク質は酸性には強いですが発色は弱い、という特性があります。蛍光タンパク質の光るしくみを明らかにすることで、どちらの色も安定して強く光らせ、色分けして使うことができ、蛍光タンパク質の活用がもっと広がると考えています。現在、先生と二人三脚で研究に取り組んでいます。蛍光タンパク質はまだわかっていないことが多く、大学院に進んで研究を続けます。大きな可能性を秘めた蛍光タンパク質の研究を通じて、医療の進歩に貢献したいです。

医用情報科学科 4年
バイオ情報学研究室 所属
坂井 俊夫さん 武田高等学校(広島県)出身

生体信号(脳活動、筋活動、心拍など)に関連した研究に取り組んでいます。そのひとつに、難治性てんかん患者の治療に必要とされる外科手術への応用をめざした手術器具「凍結プローブ」があります。この凍結プローブは、てんかん発生源である脳の領域をマイナス50度程度で急速に凍結させる特長を持っています。我々は、他大学の医学部と共同で、てんかん治療としての凍結の有効性を世界で初めて動物実験にて実証しました。この手術法が確立されれば、患者負担が軽減され、場合によっては日帰り治療が可能となるのではと考えています。
私の研究理念は、「生体信号の計測・解析を通してヒトの素晴らしさに感動し、その応用を通して人類の未来に貢献すること」です。我々人間の生活や健康に直結する医用情報科学の研究を情熱と誠意をもって共に取り組んでもらえる皆さんの入学を心よりお待ちしています。

医用情報科学科脳情報科学研究室
常盤 達司講師

 各科コースと就職について

情報工学科
Department of Computer and Network Engineering
 ・コンピュータコース
 ・ネットワークコース
 ・コミュニケーション基盤コース

世界中のくらしやビジネスに必需のコンピュータとネットワーク。ハード&ソフト両面の技術の広範囲な教育・研究により、次世代の情報環境を創造する人材を輩出しています。

知能工学科
Department of Intelligent Systems
 ・知能ソフトウェアコース
 ・知能メディアコース
 ・知能サイエンスコース

人間の知的なコミュニケーション&情報行動を支援する高度な知的情報システムの開発・研究を担う技術者を育成。3つのコースに共通する理論と実践の授業を充実させています。

システム工学科
Department of Systems Engineering
 ・人間・ロボット共生コース
 ・インタフェースデザインコース
 ・システムデザインコース

人間・コンピュータ・情報システムの調和を図り、広範な価値観のもとでユビキタス社会の実現に寄与する幅 広い視野をもつ創造的な技術者、研究者の育成を進めています。

医用情報科学科
Department of Biomedical Information Sciences

豊かで安心・安全な社会の実現を目指し、医療、生命、環境といった現代社会の諸問題に、既存の学問体系の枠を超えて取り組むことのできる人材の育成に力を注いでいます。